日東工業株式会社
Nitto Industry Co.,Ltd.

 社長 小松の経営日誌

   

11年01月19日 (Wednesday)       卯年 年頭にあたって 


 あけましておめでとうございます。
 世界を大不況に巻き込んだリーマンショッック以来2年強。なんとか生産活動は通常ベースに戻ったものの、成長のない国内市場、過大な負債を抱えることになった米欧諸国、資源価格の値上がりと、不安の種は内在されたまま、新年が明けました。今一度経営の基本はいかにあるべきか、正月休みに考えを巡らし、1月5日、仕事始めの日に朝礼で全社員に話しを致しました。自分の考えを整理する為にも、ここでそれを今一度披露させて頂きます。
 
 キーワードで表せば、”存在価値のある企業”であり続けること。これです。我々の行っている生産活動を、社会の求めていることと合致させていきたいと思うわけです。
 今回の不況の震源地となったアメリカのサブプライムローン。支払い能力を超す貸し付けを行うビジネスは、本当に社会の求めていることだったのだろうか?石油の値段がバレル当たり150ドルになるまで投資し続け、売って利ざやを稼ぐというような商売。儲かったかもしれないけど、こんなのは世の中に必要なビジネスなんだろうか?ある時期は脚光を浴びたとしても、本当は必要でない行いならば、いずれは消えていくのが必然なんだと、改めて今回教えられた気がします。
 長く生き続ける工場であるためには、世の中に貢献していると言える製品を作り続けていくことが大切です。だからといって、ある時期世に必要とされたものを、ただ頑固に作り続けていればよいというものでもない。その時必要だったとしても、年を経ればやがてすたれるのも世の常だからです。
 戦後の復興期からある時期までは、道路を整備し、ダムを作り、国土のインフラをしっかり整備する事業が世の中で求められたことだった。それを行う企業もたくさんあった。だが一通りの形が出来た現在では、これ以上の整備は不必要だと判断され、仕分けの対象になったりしています。全てが必要ないものとは考えませんが、需要が減っているのは事実であり、関連事業に従事する企業の数も減るのは必然です。
 そうなっても親の代から守っているものは離さないとばかり、一途を貫くのは経営として正しいのか?私はそうではないと思います。世の変化を見通すことも事業主の業務のひとつではないか。その上で、その時代、その時代にあった改良を事業に加えていく。場合によっては捨てる決断もする。場合によっては他の経営主体と一緒になる。変化の中で長く生き続けるためには、このような柔軟さも持っていなければならぬと思います。世の中で求められる製品が何十年も変わらないというのは、きわめてまれな事例に限られるのではないでしょうか。
 他人事の事例ばかり並べたようですが、電気自動車の出現、海外への事業移管と、我が社の関連する分野でも変化は確実に進んでいます。悩むこと、嘆くこと、増えてはいきますが、それでも根っこの所では存在価値のある企業、世に請われる企業のイメージを抱いて、やっていければと思っています。