日東工業株式会社
Nitto Industry Co.,Ltd.

 社長 小松の経営日誌

   

13年07月07日 (Sunday)       最近の街を歩いて感じること


 観光目的と見受けられる外国人がよく目につくことです。それも色んな国からの人々。1-2年前までは中国人の観光客が多くなったなあと思いました。今は東南アジア、欧米、中近東、さまざまな国の出身であろうとおぼしき方を見ます。
 10年以上さかのぼれば、やはり国内における外国人の増加を感じたことがありました。その時は日本企業、特に工場で働く外国人作業者の急速な増加という原因がありました。このような人々が、スーパーマーケットで食料品を買っている光景などをよく目にたものです。私の工場でも働いてもらっていましたが、祖国から遠く離れ、不慣れな環境の中、頑張ってくれてるなあと感じた記憶があります。時を経て、今回触れている外国人の場合は、彼らの目的が異なります。日本で稼ぐ、働いてくれるのではなく、日本を楽しんで行ってくれる人々です。
 エジプトで、ブラジルで、トルコで暴動が起き、デモが起きている。南欧諸国では若者の失業率が高止まりしている。我々は、貧困は存在し続けているのであり、貧富の格差はむしろ開く方向だという事実を認めないわけにはいきません。しかし、今、街で見える光景からは、海外に旅ができる中流層も確実に増えているという現象を捕えることができます。背景として、特に東南アジア諸国が顕著ですが、海外諸国の全体としてみた所得の増加がまずあります。が、それだけではなく、航空運賃の低下、規制の緩和、インターネットの普及による情報の充実という、総体としての社会現象が後押ししている面も大きいと思います。日本は戦後いち早く高所得国になったわけですが、後述の要因がなかったため、よっぽどの金と時間に余裕がなければ、そうそう気軽には海外旅行に行けない時期は長く続きました。そう考えると、デフレは悪いなどと言われながらも、やりたいことがやりやすくなった(同じ所得であっても)という意味で、一応、社会は進化しているのではないかと考えるのです。 
 テレビ、ビデオ、自動車。時代をさかのぼれば買いたいリストの上位にあったものが、物がそろいすぎたがために購買意欲の対象から外れています。日銀が大判ふるまいにマネーを供給しても、買いたい物が見つからない世の中では総需要は高まらない傾向があります。だからインフレにするんだという、私が思うには、真ん中を省いた、少々乱暴な論調も多くなってきています。しかし、海外旅行の例が示すように、実現を阻んでいた要因が改善されれば、何かやりたいこと、金を払いたいなと思う需要は必ず出てくるんじゃないでしょうか。金を落とす先は日本以外にになりますが、高齢化社会の一面として、60歳以上の方の海外旅行需要は増えています。それはやっぱり定年になって時間ができたら、ゆっくりと海外に行ってみたいという欲求があったからでしょう。それが規制緩和や、60を超えてもなお元気なポジテイブな高齢化という現象で、実現可能になったんだというわけです。逆に日本に来る海外観光客には金を国内に置いていってもらうことが出来ます。そういう需要が多く見込めれば、新たに外国人に喜んでもらえるようなシステムを導入するとかの、国内設備投資も必ず出てくるでしょう。
 もう敢えて買いたい物はないという声は確かによく聞きます。でもそういう人でも何かやりたいことはあるのではないでしょうか。それが無くならない限り、仕事になる需要もまたなくならないと思います。今回は観光という一つの需要を取り上げましたが、それ以外にも、健康.医療、趣味、他者に対する奉仕など、自分の人生を充実させる物事はいろいろ思いつきます。それらをターゲットにした仕事が多く生まれてきたら、社会全体として前向きの回転が出来てくるのではないでしょうか。
 世の中、変化しています。でも悪くなっているばかりじゃありません。前向きに、明日のメシの種を見つけましょう。